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新緑の香り漂う、5月の休日ですね。 西陽を柔らかく浴びた部屋のカーテンが、ゆっくり、ふくらんでは戻り、ふくらんでは戻りする様子を眺めています。 聴いている音楽は、ノラ・ジョーンズの"One Flight Down"。 彼女のファーストアルバムに収められている曲です。 この歌は彼女の曲の中で特に好きな曲です。 最初はメロディに惹かれたのだけれど、歌詞が今はとても好きで、よく聴いています。 ~・~・~・~・~・~・~・~・ "One Flight Down" One flight down There's a song on low And your mind just picked up on the sound Now you know you're wrong Because it drifts like smoke And it's been there playing all along Now you know Now you know The reeds and brass have been weaving Leading into a single note In this place Where your arms unfold Here at last you see your ancient face Now you know Now you know The cadence rolls in broken Plays it over and then goes One flight down There's a song on low And it's been there playing all along Now you know Now you know 階下でそっと 流れていた歌 あなたの心は その音をとらえ 自分の過ちに気づく 煙のように 漂うその音は 絶え間なくそこで 鳴り続けていた あなたは気づいた あなたは気づいた… リードとブラスが絡みあい ひとつの音に溶けあって行く この場所で あなたは腕を伸ばして 太古のむかしの 自分を見いだす あなたは気づいた あなたは気づいた… こわれたカデンツがはじまって 再びどこかに消えてゆく 階下でそっと 流れていた歌 それは絶え間なく そこで鳴っていた あなたは気づいた あなたは気づいた… (邦訳:八島和彦) Norah Jones, "One Flight Down", Come Away With Me, Blue Note. ~・~・~・~・~・~・~・~・ 自分の底流にずっと流れていた音色に気づくって、とても難しいことのような気がします。 たいていは、何かで深く傷を負い、これまでの自分が根底から揺るがされ、壊れ、でももがきながらも再び生き直していくようなときに、その音色に気づくのではないかと思います。 そんな幸福な気づきの瞬間を歌っているようで、とても好きです。 写真は、サン・マルタン運河沿いに建つ北ホテルの入り口です。 今はレストランになっているこの場所。 かつて、ウージェーヌ・ダビの小説をもとに、名匠マルセル・カルネによって映画化された『北ホテル(Hôtel du Nord)』の舞台となったところです。 夕暮れ時のこんなバーカウンターで、この曲を聴くのもいいな。
by anim-_-m
| 2006-05-04 16:26
| 音楽
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